こんにちはモッパーです。
さて今回は、僕のメインギターであるKillerギターのFASCIST VICEを改造していきます。
改造と言ってもそんな大改造では無いんですけどね(笑)
このギターにはロック式のトレモロが付いてます。今付いてるのがタケウチ製のTRS-PROという物。
これをゴトーのGE1996Tに換装します。
これね、大きな加工なしにポン付け出来る!はずなのです(笑)
そのあたりを確認しながらやっていきます。
アームアップについて追記あります。チェックしてくださいね。
※ギターの改造等は自己責任でおこなわれるようお願いいたします
TAKEUCHI フロイドローズライセンストレモロ
その前に、あまり詳しくないんですけど、ちょっとだけタケウチを紹介します。
タケウチ製のフロイドローズは精度が高い割にお求めやすい価格だったらしくて、ハイエンドモデルではなく、ミドルクラスからエントリークラスのギターに多く搭載されていたそうです。
大きくわけて3タイプあったようです(TRS-PRO、TRS-101、TRS-505)
本家フロイドローズオリジナルと同じタイプはTRS-101で、TRS-PROはその名の通り本家のPROシリーズと同形状のようです。505は弦のボールエンドを切らずに引っかけるタイプだったようです。
それぞれけっこう人気があったそうです。熱心なタケウチファンもいたらしいです。
ヴァン・ヘイレンモデルのギターにも搭載されていたそうですよ。
ところがタケウチさん、もう廃業しているんですよ。だから生産されていなくて、今では手に入らないんですよ。残念ですね。
つまりは、アフターサービスはもちろん、パーツ類の入手も困難なんです。まだブリッジサドル等のパーツはネットで販売されてたりしますけど、在庫限りだそうです。
そもそもの交換理由
さて、なぜ交換することになったのか
このタケウチTRS-PRO、ちょっとだけ具合が悪い所があるんです。
3弦のストリングロックスクリューのネジが スムーズに回らないんですよ。演奏中に弦が外れたことはないので、ちゃんと弦のロックは出来るんですけど。
緩めて取り外して交換しようと思ったんですが途中で止まってしまってネジが外せないんです。とにかくコレだけがスムーズに回せない。ネジ山が潰れてしまってるのかもしれません。無理に外そうかとも考えましたが、復元できなくなると困るので断念。
ブリッジサドルごと交換しようかと思ったんですけどね、ほら、入手困難なうえにお値段が(笑)
あとね、アームのガタツキも気になるポイント。トルク調整用のキャップナットを締め込んでいくとガタツキは小さくなるんだけど、自分好みのトルクに合わせると、少々ガタがあるんですよね。
ハウジングごとアームを他社の製品に交換しようかとも思ったのですが、これまたけっこうなお値段でして(笑)
なんやかんやでコストや今後のことを考えると…
いっそユニットごと交換しちゃえ!ってことになったんです。
それでね、フロイドローズオリジナルは音が良いとか言うでしょ。材質によって音が変わるとか。
そう言った意味も考えながら、いろいろ調べてみたら、ゴトーの製品がとても良いという所にたどり着いたのです。
ま、フロイドローズオリジナルは高いからね、ゴトーはコスパ良し!ってことで(笑)
>>サウンドハウスさんで購入しました<<
それでホームページにGE1996Tの図面があったので、TRS-PROをアチコチ測定し互換性があるのかチェックしてみました。確実ではありませんが、ポン付けでイケそうな感じです。
ちなみに、この時のゴトーさんのホームページの図面がとても参考になりました。なので、僕が測定したTRS-PROの測定データも公開させていただきます。
ひょっとしたら誰かのお役に立てるかもしれないので。
なお、今回はアンカーは交換しておりません。スタッドのピッチは74mmで同じだったのでTRS-PROのアンカーのまま交換しますよ。
ただ、GE1996Tには高さ調整後にスタッドが回らないようにロック出来る「スタッドロック機構」がついているんですよ。それが使えないのがちょっと残念ですけどね。
そして交換…はたして互換性はあったのか
取り外したタケウチとゴトーを並べて比較。
ま、当たり前ですけど、サイズ的にはほぼ同じ。
ファインチューナーとストリングロックスクリューの位置が違いますね。
ゴトーはフロイドローズオリジナルの形状を踏襲しております。タケウチTRS-PROは全高が低いのが特徴ですね。
個人的にはロック式トレモロのこのメカメカしさが大好きです。
GE1996TをKillerに載せました
オッケー!ポン付け出来ました!
と、スムーズに換装できたのですが、1つ問題が発生。
アームアップ するとストリングロックスクリューの頭がリセスに干渉する可能性があります。
Killerのリセス形状が段付き状になっていてそこにスクリューが当たりそうです。
と言ってもセッティングにもよりますが、かなりアームアップしないと干渉しないと思います。
どうしても干渉する時はリセスを加工しなきゃいけませんね。
まぁ、僕の場合はアームアップはほとんどしないのでとりあえずは現状のまま使用します。
アームダウン方向はまったく問題無くスムーズに動作しました。
【追記:2021年3月11日】
その後知ったのですが、このFASCIST VICEはアームアップが出来ない仕様でした。アームアップ動作時にリセスに干渉するのは当然の事でした。無知ですいません(汗)
FASCISTシリーズも息の長いモデルなので年代によって仕様が違うかもしれませんが、少なくとも僕の所有するモデルはアームアップは出来ない仕様です。
じゃあ、なぜリセス(ザグリ)加工してあるのか?
ブリッジを低くセッティングして弦高を下げるのが目的ということでした。なるほどね(笑)
アームアップ可能にするにはリセスの形状を変更するしかないですね。干渉する箇所を削り取るんです。ちなみに現状で一番最初に干渉するのはストリングロックスクリューではなく、ボディーバック側のアームハウジングでした。
大きな加工になるので、どうしてもアームアップしたくなるまでこのまま使用します(笑)
【追記ここまで】
Killer FASCIST VICE のリセス形状のデータを公開しました。こちらもどうぞ
サウンドとプレイアビリティは
肝心の音のほうは…
ゴトーのブリッジは音の立ち上がりがよろしいというレビューを読んじゃったので、プラシーボ効果かもしれませんが、心なしかキリッとした立ち上がりに感じました。
ですが、元々、このギターは音の立ち上がりが良いので、激変した印象はありません。
そしてアームのガタつきも全くありません。さすがのゴトー製品、その精度の高さに大満足です。
トルク調整には六角レンチが必要ですが、頻繫に調整する部分ではないので使い勝手が悪いとは思いません。
いかがでしたか?
今回はタケウチTRS-PROをゴトーGE1996Tに交換してみました。リセス形状さえ合えば、ポン付けでイケますよ。
同じような事を目論んでいるタケウチユーザーの方、ぜひ参考にしてください。
今回のゴトー製トレモロはこちらで購入しました
今回購入したのは、カラーがクロームでブロックサイズが36㎜のタイプですが、他にもバリエーションがあるので購入する際はご自分のギターにあったタイプを選択してください。
コメント
この記事を待っていました。あまり他にこの手の情報がないため、参考にさせて頂きます。
まぁさん
コメントありがとうございます。
そうですね、タケウチの情報ってあまり見かけませんよね。
お役に立てて何よりです。
父がタケウチのギターパーツを設計製造していました。
このような記事を書いていただけて嬉しいです。
父に、この記事読んでもらいます!
コメントありがとうございます。
こちらこそ読んでいただけて嬉しいです。お父様にもよろしくお伝えください。
また、内容に誤りがありましたら、ご指摘いただけたらと思います。
質問宜しくお願い致します
フロイドローズスペシャルからの換装は可能でしょうか?
気になっているのはアームのアンカー?
部分がフロイドよりかなり長い点です。
ギターによってはその部分はザクリが
ある様ですが
ご返答宜しくお願い致します
質問ありがとうございます。
フロイドローズスペシャルが搭載されたギターを所有していないので、換装できるのか正確にお答えできません。ごめんなさい。
近日中に、タケウチTRS-PROのアーム&ハウジング部分のサイズを計測し、記事に追加します。参考にしていただければと思いますのでしばらくお待ちください。よろしくお願いいたします。
2024.01.03 アーム&ハウジングのサイズを『タケウチTRS-PROを分解し各部寸法を測定しました』に追記しました→ https://timeless500.com/trs-pro-dim.html